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やっとかめ名古屋・三重の旅 その12 神様のお引越
-------------------------------------- 4日目 伊勢・二見 -------------------------------------- やっとかめ「やっとかめ名古屋・三重」シリーズです。今さらですが、やっとかめとは久しぶりという意味ね。これまでのあらすじは… Docが青春時代を過ごした街・名古屋へ、この春旅行したflyingshack家。お世話になった河合塾の寮を訪ねたものの消滅していた。その後、鳥羽・志摩方面へ行き、周遊券を駆使して動き回る。その間、ここぞとばかり名物を食べまくったことは言うまでもない。そしてふたりは伊勢へ(シリーズ第1話はこちら)。 伊勢といえば、やっぱり伊勢神宮にいかねば。ヒューストンに住んでいた30代前半、いろんな国の人と話して、もっと日本のことを知らねばいけないなと痛感した。日本人の価値観について興味のあるブラジル人がいて、神道について半端な説明をしたら、「今どき自分の国だけ守ってくれる神様なんているわけ?」とつっこまれ、何も言えなかったこともある。彼女の頭の中では、グローバリズムと一神教は不可分なもので、多神教は激しく時代遅れだったわけで。話が長くならないようにするけれど、とにかく伊勢神宮に行って、日本の神様について知りたいなと、その頃思ったのである。 実際に行ってみて一番興味深かったのが、式年遷宮。伊勢神宮では20年に一度、お社を新築するんだそうな。普通の建て替えなら、工事中はレオパレスにでも行っててくださいとなるのだろうが、神様だとそういう訳にもいかない。どうするかというと、全く同じ広さの隣の敷地に8年かけてお社を築き、お引っ越しするのだ。20年ごとにそれの繰り返し。今回で62回目だそうだ。 ふうん62回ね。でも待てよ。62回ってことは、20×62=1240! 1240年前からやってるわけ!? 実際は戦国時代の中断などがあって、持統天皇時代の690年に始まったらしい。余計古くなった。今回の遷宮の儀式は去年始まったばかりで、わたしたちが行った頃は、地元の人がお社の木材を搬入する「御木曳(おきひき。おきびきではありません)」を目前に控え、町のあちこちに掲示がしてあった。 それにしても、たった20年でまだ住める建物を壊してしまうんですね。何世代にも渡って教会を建て、何世紀も大切にするヨーロッパとはずいぶん違う。でも日本人は、神宮の森を千年以上守ってきた。五十鈴川の清流が洗うすがすがしい森こそが、神様の本当の住まいだろう。調べていたら面白い記事を見つけた(*)。実は社の檜材は古来その森から調達されてきたんだとか。解体した材木のリサイクルも行われるそうだ。石造りのカテドラルはいつか崩れるが、森を大切にしている限り遷宮は行われ続ける。日本人は日本人のやり方で永遠を見据えているのです。 さて、一回の訪問で、神道について、日本人の価値観についてブラジル人に解説できるようになるわけもないが、なにがしかのヒントをもらった気はする。勉強はこれからです。 *枝廣淳子氏のこの記事を参考にさせていただきました。
by flyingshack
| 2006-06-03 13:31
| 日本の旅
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