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世界バーベキュークッキング選手権 その2
さて、リブを食べた後は散歩。各チームのブースは、アイルランドをテーマに派手に飾り付けられている。2階建てのテラスをおったてて、川風に吹かれてみんなでビールを飲んでいるブースもある。でもどこもお店のようでお店じゃない。 内輪な雰囲気が漂っていて、よそ者は中に入れそうもない。 どんづまりまで来ると、目の前で盛大にチキンを焼いているブースがあった。チキンも審査の対象なわけ? そこで、杖を傍らに何か飲んでいた白髪の紳士と目が合った。「ハロー!」 こんなときにっこり挨拶するのはアメリカの常識。すると、独りでヒマそうな彼が話しかけてきた。 「ここはアイリッシュの小屋だよ。今かかってる音楽はアイリッシュじゃないがね」 「ブルース?」 「そんなもんだよ。どこから来たのかい?」 「<耳のそばで>りるろっく、あーかんそー!! おじさんはどこから?」 「ここだよ。メンフィスのピンチからさ」 「ピンチ??」 「<腹を引っ込めて>Pinch the belt(ベルトを締めるの意)だよ」 「はあ…」 後で調べたところによると、Pinch(ピンチ)地区はアイルランド人とドイツ人が開いたメンフィス発祥の地で、食うや食わずの貧乏人が空腹を紛らわすためベルトをぎゅーっと締めて生活していたところらしい。おじさんのご先祖様は、1680年頃アメリカに上陸したアイリッシュで、ピンチに流れてきたという。どうやらここのブースは、「アイリッシュ風」に飾っている他のところとは違って、正真正銘の「アイリッシュ」のようだ。 Docが癌の研究をしていると話すと、おじさんは 「妻が癌なんだ」 とさびしそうに言った。自分もいろんな病気を患っているらしい。それでもお祭り会場で、わたしたちのような旅行者に話しかけてくれる元気がある。 「でも元気そうですよ!」 と言うと、うれしそうだった。そして名刺の裏に何か書き始めた。 「Please be my guest for the rest of this evening.(これからきょういっぱい、わたしのおごりだよ)」 「へ?」 ポカンとしているわたしたちを、おじさんは杖をつきながらゆっくりブースへと案内した。門番のように入口に座っていた別のおじさんもニコニコして通してくれた。 「ここで好きなだけ飲んで、好きなだけ食べていいんだよ」 こうしてわたしたちは、ブースの中の人になった。(続く)
by flyingshack
| 2005-05-22 16:45
| アメリカの旅
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